2008/05/19

佐藤敏宏インタビュー+講演会

柳原君の紹介で、福島の建築家佐藤敏宏さんが事務所にやってきた。

藤村君や、他の関東の若い建築家の日記にも良く登場する名前なので、近い世代の人かと思っていたが、全然、50代後半のおじさんだった。東京を始めとして、全国の30代独立系建築家をインタビューして廻っているそうだ。ついこの前は、金沢に行っていたらしい。
そのインタビュー録は、出版して儲けるわけでも無く、自分のホームページにアップしていっているそうだ。何とも変わった人だが、とても50代後半の人の活動とは思えない。

流れるようにインタビューは進み、聞かれるがままに答えた。3時間近かったのではないだろうか。その後は、次のインタビュー対象の所へ向かって行った。関西には1週間滞在して、他の30代達にもインタビューするとか。ホームページにアップされるのが楽しみだ。

僕たちは「観察栽培」されるようだ。5年毎に20年間現れて、どのようになってるか観察しに来るとか。佐藤さんのホームページを通して、全国の同世代達が繋がって行くのは何とも不思議な話である。

その数日後、土曜日に佐藤さんの講演会が開かれた。作品の話はちょっとだけで、主にインタビュー活動の話。そのまま、講演会に来たいろいろな世代の人達が入り交じって、近所の公園で3時過ぎまで、建築の話や関係無い話をする。佐藤さんは公園で飲むのが気に入ったらしく、終始、「ここで飲むために、全国を廻って来た気がする」と言っていた。

佐藤さん、次は福島で会いましょう。

2008/05/18

熊本駅西口最終審査

5/10土曜日、熊本駅西口コンペの最終審査が熊本県庁で行われた。

今回は、発表から審査までの準備期間が1ヶ月あったので、入念な準備が出来た。1m×1mの模型のほか、白線モックアップなどの作成を関西大学の学生に手伝って貰った。

当日は、昼からのプレゼンテーションだったが、現地で宅急便で送った模型を受け取らなければならないので、こちらを出るのは早朝である。6時起きで、雨のなか伊丹空港に向かう。熊本までは1時間程度で着き、空港バスで県庁着。控室は5組とも同じ部屋で、芸人の楽屋のようである。

模型を郵送してきた人が多かったため、皆模型の修理などでリハーサルまでの時間を潰している。

食事後、本番である。思ったより大きな会場であるが、観覧する人々は、地域住民よりは学生が目立って多いようだ。各組厳しい質問をされながらも、応戦している。あっという間に自分の番が廻って来てしまう。ここまで、全員が発表原稿を読んでいたので、自分も原稿を読もうかという誘惑に駆られるも、余りに緊張していないので、やはり、原稿は無しで発表することにする。

時間10分喋り切った。白線モックアップでは審査員から爆笑も取ったので、一安心。その後の質疑では主に、雨にかからずに歩けるようにする方法などを聞かれる。

全員の発表後の休憩時間に、ぐんま総合情報センターの最終審査で一緒になった熊本大学の田中智之さんに再会する。白線モックアップでは笑って貰えたようだ。塩尻で一緒になった佐藤さんともちょっと話をする。

この時点では全く、どの審査員が自分の案を推していて、どの案が優位なのかがわからなかったのだが、後半戦の全体質疑を行っているうちに、なんとなく明らかになっていった。回答順は審査員の桂先生の機転で、5.4.3.2.1や4.2.1.3.5のように、質問毎に変えられた。質疑の内容は以下の項目。

・これまでの経歴

・風雨の問題への対策

・公開された市民の意見を読んで対応したこと

・ユニバーサルデザインへの対応

・新幹線の駅舎デザインとの関係

・新幹線駅から見た際の自分の案のインパクトを再プレゼンする

この後は審査員間の議論で話が進んで行き、全員が票を入れた佐藤さんが最優秀賞に選ばれた。

駅前広場は交通の広場で、その問題を無難に解いているということだったと思う。(無難というのは審査員の議論で出た言葉)

SPACESPACEの案はこれまで見たことが無く、面白い提案だが、そもそも駅前広場では無いのではないかということだったように思う。

このへんはなかなか難しい。駅前広場に見えるようでは地方駅の裏口という文脈の中では、何も為し得ないというところからスタートしただけに、設計の入口を問われた形になってしまった。最終的には、案の利/不利が一致してしまったようだ。実施コンペ、というよりは実施案というのはなかなか難しい。