2013/08/27

群馬建築ツアー②~集合住宅編~

群馬建築探訪その②です。

一日目は藤野さんが車で案内してくれて、高崎周辺の建築をいろいろ見るツアーとなりました。

まずは藤野さんの設計した萩塚の長屋。

















この集合住宅は藤野さんのアトリエからほど近いところにありました。
道を車で走っていてもすぐに気づくほど、周りにはないデザインです。

この集合住宅、新建築で見ていたのですが、なんといっても共用部が気になっていました。
室内と同じくらいあるのではないかと言うくらいの広さの外部空間である、テラスや屋上。
そしてなん中にぽっかり空いた中庭。

















この場所の使われ方、住人の住まい方はどうなっているんだろうと興味津々で見に行きました。

「みんなで使う」場所としてではなく、「それぞれが使う」余白として計画された結果、住人それぞれが自分なりの使い方をし、その場の使い方から人となりが周囲に分かり、関係性が徐々に生まれ、いつの間にかお互いを自分の領域に招き入れる場となっているようです。

共用部の在り方として、とてもいいなと思いました。

どの住戸もうまく、外部空間を使われていました。

次は、高崎市営住宅。菊竹清訓さん設計の集合住宅で11棟建っています。

















住棟は1階がワンフロア、2・3階がメゾネットになっています。
2階レベルに設けられた連続する共用のテラスが、外観を特徴付けていてとても魅力的です。

2階レベルの共用テラス

















とにかく、建物内の共用部も敷地全体の共用部もたくさんあり、とても豊かな住空間になりそうなのですが、、

実際はほとんど使われていません。。

2階テラスは物がほとんどなく、一階の外部空間はところどころ花を植えているところもありますが、ほとんどが荒れ放題。。

使いようでは、とても魅力的に豊かに住むことができるのに。


たまたま、連続して見た2つの集合住宅。どちらも共用部が特徴的だという共通点があるものの、その使われ方の違いの原因はどこにあるんでしょう。

民間と市営の住人のライフスタイルの違いはあるかもしれませんが、きっとそれだけではないと思います。

やはり、どこか「自分の領域であり、自分が自由に使ってもいい」と思わせる空間に萩塚の長屋はなっているのだと思います。

建築自体はどちらもとてもいいのですが、やはりどう使われているかで魅力は全然変わりますね。






2013/08/13

群馬建築ツアー①~天神山のアトリエ~

先日ちょっと東京に用事があったので、少し足を伸ばして、ずっと行きたかった群馬の建築家、生物建築舎の藤野さんのオフィスである「天神山のアトリエ」を見学させてもらいました。

このオフィス。親建築誌に掲載された時「なにこれ!」と事務所内で話題になった注目作!

その時は藤野さんと面識がなかったのですが、昨年末のソウルでの展覧会の時にご一緒させてもらい、今回の訪問が実現しました!


























外観。幹線道路沿いにそれはあります。とてもシンプル。

しかし、なにが注目作かというと。



















??地面が繋がっていますが、間にガラス。そう、ガラスの手前か奥どちらかが建築の中。いわゆる室内です。

さて、どちらが室内でどちらが外部かわかりますか?

答えは。。手前はなんと室内です。

室内ということは、アトリエです。

そのアトリエがこれ!このような環境の中でみなさんお仕事をされています。




























とにかく気持ちのいい空間です。

もちろん空も見えます。




















なんだか、自然の中に
ポンっと机をおいたようなオフィスです。





















本棚は木のように高く作られています。


























はしごに登る島田陽さん。

私も登りましたが、登るとオフィスを見下ろし、木をまた違った視線から感じることができ、小鳥になったような気分でした。しかし、あまりに怖くて写真は撮れず、、



























今回は夏だったので、テーブルの中心にはパラソルが置いてあり、日射しを和らげていました。想像ではもっと暑いかと思っていたのですが、もちろんエアコンがあったのもありますが、窓を開けたりすることで、風が通り抜けることで体感としては涼しく感じました。

また、レモンユーカリやいろいろな植物に囲まれているせいで、風と共に葉や枝が揺れてこすれる音や、花や葉の匂いが感じられ、本当に心地のいい空間でした。

自分のオフィス兼自宅だからできることとは言え、決して趣味的ではなく、建築の構成と共に深い思考をされた植栽の設計も興味深く、そして、日々変化するそれらと共に生活している生き方そのものが、とても面白く思いました。

日々変化し、成長する建築だと思います。
また違う季節にも行ってみたくなりました。

そんな、「天神山のアトリエ」の日々を綴ったブログがこちらです。
生物建築舎日記

これをみているだけでワクワクしますね。
竣工当初からの、木々の成長っぷりにも注目ですw